東京オリンピックを迎える2020年ホテル業界はどのようになるのか。
さまざまなメディアでも語られているテーマでもあります。
まずはデータとして、2019年の訪日外国人(日本を訪れる外国人)の数ですが3,188万人(対前年比+2.2%)。観光消費金額は4.8兆円(対前年比+6.5%)と大きく成長しています。
少なからず、来日する外国のお客様はどこかに宿泊をしています。
2019年はラクビーワールドカップの日本開催で欧米豪が大きく伸ばした一方で、日韓関係の悪化により、韓国人訪日数の減少(対前年比-25.8%)となりました。
(JATO発表訪日外国人数より)
内訳として、2019年の訪日外国人数の国別ランキングは
1位 中国(959万人) 2位 韓国(559万人) 3位 台湾(489万人)と
近隣アジア諸国が来日の大半を占めております。
ホテル業界としては、中国人留学生を雇用し、中国語での接客に力を入れる。
ホテル内の案内表記を日本語と英語以外の言語を入れる。
日本人スタッフの英語を含む語学力を向上させることは急務と言えそうです。
日本政府は、2020年の訪日外国人の目標数を4,000万人(観光消費金額は8兆)と定め、10年後の2030年には6,000万人(観光消費金額は15兆)と掲げております。
今年に関していえば、東京オリンピック開催というビックイベントがあり、4,000万人達成は必然と考えられていましたが、ここにきて中国武漢で発生した新型コロナウィルスという新たな脅威により、中国人観光客の減少が懸念されています。
ホテル業界では、お客様に不快感を与えない為、マスク着用での接客を禁止しているところがありますが、今では多くのホテルがお客様の安全と従業員を守る観点からマスク着用が義務に。
また、お客様同士が触れる物(例えば、記帳用のボールペンなど)を数時間置きに消毒するなどの対策が講じられています。
観光業は平和産業です。世界中が何事もなく平穏な時は人々が旅行に出向きます。
このようにさまざまな社会情勢の中、海外のお客様は日本を訪れる機会を探っています。
政府は現在、訪日外国人用の高級ラグジュアリーホテルを各地に50か所の増設を考えています。(2019年12月9日菅官房長官の談話より)民間でも宿泊特化型ホテルの建設が東京を中心に行われています。
政府の後押しや日本に興味がある外国人旅行者がいる限り、このホテル建設ブームはまだ続くと予想されています。
ホテル業界で働くことを目指している学生にとっては、この上ないチャンスと言えるのではないでしょうか。
『ナイトタイムエコノミー』
これからは、この言葉が訪日外国人を取り込む上でポイントとなってきます。
※ナイトタイムエコノミーとは夜間(一般的には、日没から日の出まで)の経済活動のこと。消費やビジネスチャンスの広がりを期待して、世界各国でナイトタイムエコノミー(夜間経済)への取り組みが進められています。日本でも特に訪日外国人旅行者によるナイトタイムの娯楽利用が期待されています。
訪日外国人が宿泊するホテルで、このナイトタイムエコノミーを取り入れたイベント(ミュージカルやショーを遅い時間に公演)隣接する水族館を深夜まで開放するなどの取り組みが出来そうです。
そして連動するようにカジノ法案も進められ、いよいよIR(統合型リゾート)が本格化しますね。カジノのほかホテルや劇場、国際会議場や展示会場、ショッピングモールなどが集まった複合型施設。
このようにホテル業界に関連する出来事がたくさん訪れます。
高校生の皆様にとってはすぐ近くの現実で、これから本当に楽しみですね。
もう「国際化」という言葉は現在では使われなくなりましたが、世界に通用する人材になる勉強を一緒に始めていけたらいいなと感じております。
是非ともオープンキャンパスでお会いしましょう。

本校では、提携先のアメリカの大学の学生と交流する機会もあります