記念日にシャンパンで乾杯する。…この文字を見るだけでも心が躍ります。
シャンパンとは、フランスのシャンパーニュ地方で作られる泡のワイン(スパークリングワイン)のことですが、ワインとホテルの関係は通ずるものがあります。
ホテルの語源は『ホスピス』に由来すると言われています。聖地への巡礼のために教会や修道院が提供した宿泊施設を『ホスピス』と呼びました。
この『ホスピス』はさまざまな言葉の語源になっています。「おもてなし」を意味するホスピタリティー、「病院」を意味するホスピタルにも派生したと言われています。
ワインはキリストの血とされ、神聖で貴重なものとされてきました。
当時の教会や修道院は、学校や研究所といった役割も果たしていたため、ブドウ畑を開墾したりワイン醸造の技術を高めたりと、ワイン造りに注力しました。
ホテルの語源の『ホスピス』でワイン造りがおこなわれていた歴史を現代のホテルでワインを飲むときやサービスするときに少しでも思い出してみて下さい。
過去から伝わる伝統はホテルにもワインにも通ずると感じられるのではないでしょうか。
さて、私がホテリエとして仕事を始めたのは20歳の頃からです。
最近まで未成年だった当時の私が、仕事を覚える上で苦戦したのが、お酒の種類。
特にワインの知識でした。
世界最古のアルコール飲料とも言われるワイン。西洋ヨーロッパを中心に各国で生産されるワインの知識は常に覚えることが多い飲み物です。
ワインの知識を広げる方法は試飲して覚えることですが、高校生の皆様にはそういう訳にはいかないですよね。
若いころの私はワインが苦手でした。飲んだことのないワインをどうやってお客様にお伝えするのか、また質問されたどうしようかと悩んだものでした。
そこで、初めてのワインに触れる場合には、白ワインと赤ワインの作り方を学ぶといいと思います。
・白ワインは、白ブドウ(マスカットなど)を皮と種を取り除いて発酵させた飲み物
・赤ワインは、黒ブドウ(巨峰のような色のブドウ)を皮と種を一緒に発酵させた飲み物
ざっくりですが、基本はこれでOKです。
さらに掘り下げると、ブドウ品種を知ることですが、世界各国で栽培されているブドウ品種は3000種~5000種あるとも言われています。
しかし、代表的なブドウは白・赤ともに数種類です。2種類ずつ覚えるのがコツです。
・白ワインの代表 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン
・赤ワインの代表 カベルネ・ソーヴィニヨン、ピノ・ノワール
この4つだけで、世界に流通する半分のワインと言えるくらい世界中で飲用されています。
日本では栽培が難しいと言われているのが赤ワイン代表のピノ・ノワールです。
渋みが弱く、すっきりとした酸味、ルビー色の透き通ったワイン。
このブドウ品種を栽培しているのが、北海道のワイナリー『ドメーヌ・タカヒコ』
2020年2月「世界のレストランベスト50」に4度も世界一に輝いた、デンマークのノルディック・レストラン「noma」。そのワインリストに初めて日本のワインが載るという快挙がありました。
『ドメーヌ・タカヒコ』は日本でも多くの熱狂的なファンを持つも、生産量が限られるため、なかなか出会えない希少なワインです。
このように、ワインに関する知識は身近な話題から知ることで、増やすことが出来ます。
東京ウェディング・ホテル専門学校では『ホテルレストランサービス技能検定』という国家資格取得を目指す授業があります。ホテルサービスの他、ワインの知識を分かりやすくお伝えしています。皆さんと共に学んでいきましょう。

ホテルフランクスで活躍する卒業生