Column by Tokyo Wedding Hotel College

2020/12/2

オリンピックで変わるホテル業界の今後

Go Toキャンペーンにおける都内シティホテルでは、週末を中心に連日満室を記録し、チェックインが始まると同時に長蛇の列が出来ています。

密にならないようにとホテルスタッフからの声掛け、スムーズなご案内を心掛けているかと思いますが、体調チェックシート記入や身分証明書の提示などに時間を要しています。

現在、2021年のゴールデンウィークまで、Go Toトラベルキャンペーンが延長されることが提案されています。そう考えると来年の上半期までこのペースを保てるホテルが多くあることと存じます。

問題はその後、キャンペーン終了後です。

消費者は安い価格に慣れてしまい、需要喚起の効果が減退し、キャンペーンが終了した後の反動減が大きくなることが予想されます。

しかし、そこには東京オリンピックが起爆剤になる可能性があります。

航空業界では、世界の航空需要が新型コロナウイルス感染症の影響を受ける前の水準に戻るには、2024年になるとの見通しを示しました。(IATA国際航空運送協会より)

そのことを踏まえると、2021年の東京オリンピックにはインバウンド客が来ないのではと思われます。

現状では、11月30日に中国とのビジネス関係者などの往来を再開させています。(シンガポール、韓国、ベトナムに次いで4例目)

まだ、観光目的での外国人旅行者を受け入れる状況にはありません。

では、どうすれば東京オリンピックに関連したホテル宿泊を獲得できるのでしょうか。

インバウンド需要が期待できない今、『マイクロツーリズム』に期待が寄せられています。

マイクロツーリズムとは、自宅から1~2時間程度の距離で、安心、安全に過ごしながら地域の魅力を深く知るきっかけになり、地域経済に貢献してもらう観光を指します。

さて、オリンピックの宿泊需要に話を戻します。

実は既に『東京オリンピック開催期間中の都内シティホテルは満室状態』になっております。

立地条件のいい、カプセルホテルでもおひとり様15,000円の価格を提示している所もあるほどです。

日本人のホテルへの信頼度はとても高く、衛生面での安心感や入室時の徹底した体温管理など、他国に比べて宿泊施設には絶大な信頼を寄せる方が大勢います。

マイクロツーリズムという考え方で、都内に住みながら非日常を体験したい。

東京オリンピック開催時に合わせて、盛り上がる東京を安全なホテルから観戦したい。

今年の夏は我慢の夏、来年こそ、東京オリンピックに合わせて都内に宿泊したい。

など、需要が高まり、宿泊稼働率を後押ししています。

今後も東京オリンピック開催に伴い、客室単価の高騰が予想されます。

(まだ、ニュースなどでは取り上げられていない事実です)

2021年のホテル業界の需要回復を考えるうえで、オリンピック開催が必須条件となります。

来年の9月以降、オリンピック後が本当の正念場だと思います。

日本では新型コロナワクチンが供給されるのが、来年の6月頃といわれております。

近隣諸国もその辺りで普及し始めた場合、多くの外国人が日本に訪れるようになるかもしれません。

そう考えると、来年の9月以降にアジア圏のインバウンド客が回復する可能性もあります。

海外旅行を検討する上で感染者数の多かった国にはまだ、行きたくないと考える外国人旅行者も多いはず。

幸い、日本では感染者数が欧米諸国に比べて、少ない傾向にあります。

2021年前半から中盤にかけては国内需要の取り込み、そしてアフターコロナ後のインバウンド需要の回復が後半にかけて望める可能性があります。

現時点では憶測と予測に過ぎません。しかし、2021年は大幅な回復が見込めるのでは。

先日都内のホテルに宿泊した際に「研修中」とのバッジを付けた新人ホテリエ達の奮闘をみていると、「ニューノーマル」に対応しお客様への安全対策とおもてなしする準備が整っていると感じました。

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