Column by Tokyo Wedding Hotel College

2020/5/15

ブライダルの仕事を選んだ理由~ジューンブライドへの思い

『June bride ジューンブライド~ 6月の花嫁は幸せになれる』

 

もうすぐ季節は夏を迎えます。ゴールデンウィークは一年の中でも結婚式が多く行われるシーズンでもあります。暑くなる前の過ごしやすい時期に結婚式を挙げるカップルが多くいらっしゃいます。

 

私がブライダルスタッフとして、初めてお客様へ接客したのもこの時期でした。

ホテルのブライダル部門を担う、宴会サービス課に配属されたのが、新入社員の私にとって運命だったと感じています。

 

皆さんがもし、2年間(もしくは3年間)専門学校で勉強するとして、卒業後に入社するのは4月だと思います。

 

入社してすぐに研修があります。

私の場合1ヶ月間、お客様の前に一人で立たせてもらうことはできませんでした。

ひたすら、皿の持ち方、サーバー(フォークとスプーンをトングの様に使用すること)の練習、挨拶、笑顔、お辞儀の仕方、歩き方、近隣施設名称を覚える、会社の方針などなどを叩きこまれました。

 

4月中、先輩の後ろにくっついて、結婚式やその他のパーティーの下げ物をするなど、お客様と触れ合う機会はほぼ皆無に過ぎていきました。

 

そして、5月…念願のデビューを飾るのです。

ゴールデンウィークに一人で結婚式のテーブルサービス(料理の配膳スタッフ)を担当します。

時期的に婚礼件数が増えるので、人員確保の意味も込めて、新入社員は4月の研修で確実にここを目標に仕上げられます。

 

今でも覚えているのですが、新婦(女性側)の親族テーブルを担当しました。

よくお酒を飲まれるテーブルで何度も日本酒の熱燗を出していた記憶があります。

そのおかげか、「お兄ちゃんのおかげで楽しかった!」と言ってもらえたのが、凄く嬉しかったです。

 

専門式場、ゲストハウス、レストラン、ホテルとありますが、多くの新入社員はゴールデンウィークが、婚礼に携わる最初になるのではないでしょうか。

 

さて、『ジューンブライド~6月の花嫁は幸せになれる』といいますが、元はギリシャ神話に登場する神主ゼウスの妃で、結婚や出産を司る女神「Juno(ジュノ)」が守護する月が6月(June)であることから、この月に結婚をすると生涯幸せに暮らせると言われています。

 

また、かつてヨーロッパでは、農作業の妨げとなることから3月~5月の結婚が禁じられていました。そのため、結婚が解禁となる6月に結婚式を挙げるカップルが多く、祝福ムードいっぱいだったからという説もあります。

 

新人だった私も時が経ち、ブライダルキャプテン(披露宴会場の責任者)をしていたとき、6月に結婚式を挙げるカップルには、特に気をつけて接客に臨んでいました。

『ジューンブライド~』結婚に対する思い入れが強いと感じていたからです。

 

一般的に6月は梅雨の時期に入り、婚礼を避ける傾向にあります。

 

来賓として招かれるお客様に足元が悪い中、お越し頂くことを申し訳ないという気持ちがあるからです。

それでも、6月の結婚式を決めたお二人には何か特別な思いがあるのではと感じてしまいます。

 

雨天でも決行できる屋根付きのテラスなどがありますが、雨の日には傘を使用してご移動頂く場所もあります。

 

『6月の花嫁は幸せになれる』、絶対にその思いを壊したくないと私は心の中で思い、雨が降ろうが、万全の体制で接客をしていました。

 

お客様にとって、6月には違う理由で挙式を行うカップルもいると思います。

当時の指示書(プランナーからもらう、当日の進行表の総称)にはその月に結婚式を挙げる理由は特別なことがない限り、記載はありません。

 

6月だけが特別という訳ではないのですが、キャプテンとして、さまざまな思いを巡らせることで、この結婚式に携わった人たち全員が幸せになれること願って担当しています。

 

一人一人が、幸せを思い描くこと。『幸せを願うことでみんなが幸せになる』

この思いこそ、私がブライダルの仕事を選んだ理由です。

 

本校のハウスウェディング(本物の結婚式)では、在校生が結婚式の会場責任者を担います

 

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