Column by Tokyo Wedding Hotel College

2024/5/20

ブライダル業界の魅力とは?やりがいや特徴・キャリアプラン・今後の情勢を解説

ブライダル業界は一生に一度の「結婚式」を任される仕事が多く、責任が重い反面、やりがいも大きい業界です。結婚式をプランニングすることに憧れて、ブライダル業界に入りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、ブライダル業界の仕事に触れる機会は多くないため、詳しいイメージを持ちづらく不安に感じることもあるかもしれません。

この記事ではブライダル業界への就職を考えている方や、ブライダル関係の学校へ進学しようとしている方のために、ブライダルのやりがいや特徴・キャリアプランを紹介します。さらには、今後ブライダル業界がどのようになっていくかも併せて紹介するので、ぜひ進学・就職の参考にしてください。

目次

ブライダル業界とは

まずはブライダル業界の概要と歴史、そして今後の見通しについて紹介します。ブライダル業界とは結婚にまつわる「挙式」、「披露宴」はもちろん、広義では「結婚情報の提供」、「ブライダルジュエリー」なども含む業界です。新郎新婦やそのご家族の門出をサポートし、一生に一度の思い出を作る仕事ともいえるでしょう。

ブライダルの歴史

ブライダル業界の歴史は、近代から始まったといわれています。明治時代に写真撮影が広がり、写真館が夫婦の記念写真を撮るようになったことが起源の一つです。また、大正天皇の結婚式(ロイヤルウェディング)が1900年(明治33年)に挙行され、それが神前式のきっかけとなり現代まで続いているともいわれています。
その後、1923年頃(大正時代後期)には帝国ホテルでも結婚式や披露宴が開催されるようになり、これが現在のホテルウェディングの原型といえるでしょう。昭和初期(1930年代〜1950年代)にかけては神前式が一般的なスタイルとして広がりますが、戦後の結婚ブームに合わせて結婚式専門の式場も増え、1970年代頃にはキリスト教式の結婚式スタイルが一般化します。結婚式で「白いウェディングドレス」を着るという風習も、このキリスト教式スタイルの影響が強いです。
バブル期にはブライダル業界も急激に成長し、盛大な結婚式(いわゆるハデ婚)が多くなりました。その後は落ち着きを見せ、新郎新婦が「自分たちらしさ」を演出するオリジナル婚の時代へと移っていきます。

ブライダルの現状

現状のブライダル業界は、新郎新婦が「自分たちらしさ」を演出するスタイルも多くなっています。また、これまで一般的だった派手な演出は避け、こぢんまりとしたスタイルである「地味婚」も人気です。

地味婚(ジミ婚)はその名のとおり、派手な演出を避ける結婚式です。ネガティブなイメージはなく、簡略化したシンプルな結婚式として人気を集めています。地味婚では親族だけを呼び、披露宴は実施しないなど挙式にフォーカスしているため、全体的な費用を抑えられることが特徴です。感染症対策としても地味婚は注目されていましたが、家族だけで時間を過ごしたいカップルは依然として多く、地味婚の需要はしばらく続くことが予想されます。
また、結婚式を挙げない「ナシ婚」という選択肢もあります。あまり注目されたくないカップルや、授かり婚のカップルなどは、あえて挙式しないケースもあるのです。ナシ婚の場合はブライダル業界と無関係のように思えますが、このようなカップルもウェディングフォトの撮影は行う場合も少なくありません。挙式せずとも、結婚式場でウェディングドレスを着た晴れ着姿の撮影を希望するカップルも、ウェディング業界のお客様です。

ブライダル業界は今後どうなる?

少子高齢化により、今後ますます結婚人口が減少することはほぼ確実です。また、「ナシ婚」を選ぶカップルも珍しくありません。そのため、ブライダル業界のマーケットが縮小していることは事実です。ブライダル業界が置かれた環境は、バブル経済時の派手婚と比べれば厳しいといえるでしょう。
しかし昨今は、モノよりもコト、つまり経験を重視する方も増えています。一生に一度の記念として、地味婚や家族婚を選ぶカップルが増えると予想されます。また、結婚式を挙げないカップルであっても、記念撮影だけは行う場合も少なくありません。フォトウェディングの希望者数も堅調に伸びており、ブライダル業界として新郎新婦のニーズに合わせてサービス展開していくことが求められているのです。
とくに令和に入ってからは、決められたプランではなく自分たちだけのオリジナル(オーダーメイド)の結婚式にしたいというカップルも少なくありません。このようなニーズに対応していくウェディングプランナーは、今後もブライダル業界として欠かせない存在といえるでしょう。一時期に比べてマーケットが縮小しているとはいえ、ブライダル業界には残り続けるビジネスの一つです。

ブライダル業界の職種

ブライダル業界の職種というと、「ウェディングプランナー」を思い浮かべるかもしれません。しかし実は、ブライダル業界には多様な職種があり、それぞれ協力しながら結婚式を作り上げています。

  • ウェディングプランナー
  • ブライダルエステティシャン
  • ブライダルアテンダー
  • ドレスコーディネーター
  • フラワーコーディネーター
  • ヘアメイクアーティスト
  • バンケットサービス
  • 音響・照明(ブライダルオペレーター)

先述したとおり、今後は結婚式にオリジナリティを求めるカップルが増えていくことが予想されるため、それぞれの職種に求められる役割・責任も大きくなるかもしれません。職種ごとで携わる内容は異なるため、自分に合った職種を選びましょう。ここからは、職種ごとの業務内容について詳しく解説します。

ウェディングプランナー

ウェディングプランナーとは、結婚式を総合的にプロデュース・プランニングする職種です。式場によっては「ブライダルコーディネーター」、「ブライダルプランナー」、「ブライダルプロデューサー」などと呼ばれることもあります。
ウェディングプランナーは式のコンセプト決めといった大局的な仕事から、式場に飾るアイテム選び・新郎新婦の衣装など細かなことまで、すべてに携われることが特徴です。ウェディングプランナーが新郎新婦の要望をヒアリングし、他の職種を指揮して結婚式を作りあげます。
ブライダル業界で働きたいと考えている方は、このウェディングプランナーに憧れている方も多いのではないでしょうか。担当範囲が広いため大変な職種ではありますが、新郎新婦の理想とする結婚式を実現するやりがいの大きい職種でもあります。
ウェディングプランナーを目指す場合は、専門学校などでブライダルにまつわる知識を総合的に学び、結婚式場やホテル、プロデュース会社などに就職します。ウェディングプランナーとなるために必須の免許・資格はなく、学歴もさまざまですが、人気の高い職種なだけに各企業ともに倍率は高いです。
また、ウェディングプランナーはこれから紹介する他職種との連携も求められるため、リーダーシップ能力はもちろん、幅広い知識が求められることも特徴です。ウェディングプランナーを夢見ている方はコミュニケーション能力を磨くためにも、日ごろから積極的に他人と関わるようにしておきましょう。
なお、ウェディングプランナーになるために必要な免許はありませんが、次のような資格を取得しておくと役立つでしょう。

  • ウェディングプランナー資格(JADP)
  • ブライダルコーディネート技能検定(BIA)
  • IWPAウェディングプランナー日本資格
  • 全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)認定ブライダルプランナー検定
  • IFDA認定ウェディングプロデューサー資格(WPP)
  • イントロダクション・トゥ・ザ・ブライダルコーディネーター検定(IBC検定)

ABC協会認定ブライダルプランナー検定は国際的にも有名な資格で、検定1級からの受験も可能とされています。さらに実務経験の必要なプロフェッショナル、上級、マスターまでステップアップしていける資格であるため、ウェディングプランナーとしてキャリアを積み重ねることを見据え、就職前に1級からチャレンジしてみてもいいでしょう。これらのブライダルに特化した資格以外にも、色彩検定やフラワーデザイン関係の資格、ヘアメイク関連の資格も重宝されます。

ブライダルエステティシャン

結婚式で新婦(花嫁)を輝かせる職種として、ブライダルエステティシャンになりたい方も多いでしょう。そもそもブライダルエステとは新郎新婦向けのエステで、結婚式当日に向けて数か月〜単位でコンディションを整えていきます。一般的には新婦を対象としていることが多く、次のような施術を行うことが特徴です。

  • フェイシャルケア
  • ボディケア
  • 痩身エステ
  • 脱毛
  • シェービング

一生に一度の結婚式ですから、新婦が「最高のコンディションに整えたい」と思うことは当然です。そのため、美顔・美白・小顔などを目的としたフェイシャルケアをはじめ、ウェディングドレスを着ることで露出する背中や二の腕などを整えるボディケア、ハンドマッサージなどで脂肪燃焼を促す痩身エステ、脇や脚・背中などウェディングドレスから見える部分の脱毛、さらには肌をワントーン明るく見せるためのシェービングまで、ブライダルエステティシャンが全身を整えるのです。
シェービングを行う場合は国家資格である理容師免許が求められますが、その他の施術について特別な資格・免許はありません。ただし、エステティシャンとしての技術を磨くための学校に通い、次のような資格を取得するケースが多いです。

  • 国際エステティック協会(IEA)認定
  • 日本エステティック業協会(AEA)認定
  • 日本エステティック協会(AJESTHE)認定

ブライダル業界に興味があり、とくに美容が好きな方は、ブライダルエステティシャンを目指してみてもいいでしょう。

ブライダルアテンダー

ブライダルアテンダーは介添人とも呼ばれ、結婚式当日に新郎新婦のそばで挙式・披露宴の進行をサポートする職種です。新郎新婦は結婚式に慣れておらず、大勢の人の前に晴れ着姿で登場するため、当然緊張しています。新郎新婦の緊張をほぐし、最高の結婚式を実現させるためにも、ブライダルアテンダーに求められる責任は大きいといえるでしょう。
ブライダルアテンダーとして募集している企業は少なく、そのほかのセクション、職種と兼務するケースが多いです。結婚式の進行を左右する重大な職種であるため、経験と知識を積んだウェディングプランナーがブライダルアテンダーを努めることもあります。ブライダルアテンダーとして活躍するには、次のような資格があるといいでしょう。

  • アシスタント・ブライダル・コーディネーター検定(ABC検定)
  • マナー・プロトコール検定(NPO法人 日本マナー・プロトコール協会)
  • サービス接遇検定(公益財団法人 実務技能検定協会)
  • レストランサービス技能検定(一般社団法人 日本ホテル・レストランサービス技能協会)

結婚式ではホスピタリティ(おもてなし)も求められるため、ブライダルアテンダーにはマナーやサービス提供についての深い知識が求められます。アシスタント・ブライダル・コーディネーター検定(ABC検定)はブライダル全体の実務を学べる資格であるため、各種受験資格はあるものの、一度挑戦してみてもいいでしょう。

ABC検定に合格すると、BIAブライダル・コーディネーター(中級)養成講座の受講資格が手に入り、最終的にブライダル・マネージャー(上級)までステップアップできます。

ドレスコーディネーター

ドレスコーディネーターは、結婚式や披露宴で新郎新婦が身につける衣装をコーディネートする職種です。結婚式の来賓の衣装を手配することもあり、ドレス以外も担当することから「コスチュームアドバイザー」、「コスチュームコーディネーター」と呼ばれることもあります。
ドレスコーディネーターになるためには、専門学校でブライダルにまつわるファッションの知識を身につける進路もありますが、ホテル業界やファッション業界でキャリアを積んだのちに転職するケースも珍しくありません。必須の資格はありませんが、次のような資格があると役立つでしょう。

  • ブライダルコーディネート技能検定
  • 着付師
  • 色彩検定
  • ファッション色彩能力検定
  • ジュエリーコーディネーター検定

この中でも、ブライダルコーディネート技能検定は厚生労働大臣認定の国家検定です。ブライダルコーディネート技能検定には3級〜1級まで用意されており、3級であればブライダル事業関連業務に従事しようとしている方も受験できます。

フラワーコーディネーター

フラワーコーディネーターは、式場に飾る花のアレンジはもちろん、ブーケやブートニア作りにも対応します。結婚式・披露宴にはお花が欠かせないため、ホテル内のフラワーショップにはブライダルに精通したフラワーコーディネーターが配属されているケースが多いです。
そのため、ブライダルフラワーコーディネーターになりたい方は、専門学校で学んだり園芸ショップで実務を身につけたり、ブライダル業務の多いフラワーショップへ就職するといいでしょう。次のような資格があると、フラワーコーディネーター業務に役立ちます。

  • ブライダルフラワーコーディネーター検定(BFCA検定)
  • フラワー装飾技能士
  • フラワーデザイナー

ブライダルフラワーコーディネーター検定は3級〜1級まで用意されており、2級と1級には実技試験も設けられています。ブライダル装花の基礎知識、アレンジメントスキルを身につけたい方は、ぜひ受験してみてください。

ヘアメイクアーティスト

ブライダルヘアメイクアーティストは、新郎新婦の希望、会場コンセプト、衣装などに合わせてヘアメイクを提案する職種です。ヘアメイクとあわせて衣装コーディネートも担当するケースがあるため、和装やドレスのまつわる知識も欠かせません。
ブライダルヘアメイクアーティストとしてブライダル業界で活躍する方法としては、結婚式場・ホテルに就職することはもちろん、ヘアメイク事務所へ所属する選択肢も挙げられます。フリーランスとしても活躍できるため、キャリアプランの幅は広いです。髪をカットする作業はほぼ発生しませんが、美容師免許をもっている方が多いことも覚えておきましょう。

バンケットサービス

バンケットサービスとは、バンケット(宴会)、すなわちブライダル業界においては披露宴やパーティーの進行をサポートする職種です。多くの参加者に満足してもらうために、進行管理能力や接客マナーが求められ、飲み物や料理にまつわる知識もなければ務まりません。
結婚式場やホテルへ就職しバンケットサービスとしての実務経験を積むことになりますが、キャリアアップのためには次のような資格があるといいでしょう。

  • レストランサービス技能検定
  • ブライダルコーディネート技能検定
  • アシスタント・ウェディングプランナー(AWP検定)

アシスタント・ウェディングプランナー(AWP検定)は、これからブライダル業界への就職を目指す方向けの試験です。新郎新婦に好感を与えるマナーをはじめ、ブライダル業界専門用語や結婚式・披露宴の形式などを網羅的に学べるため、ぜひ受験してみてください。

音響・照明(ブライダルオペレーター)

音響(BGM)・照明による演出も、結婚式や披露宴には欠かせません。このような音響・照明に携わる職種は、ブライダルオペレーターとも呼ばれています。ブライダルオペレーターは結婚式場に直接雇用されているケースもあれば、音響照明を専門とする企業から派遣されるケースもあり、いずれの場合もブライダル関連の専門学校で音響照明にまつわる技術を身につけているキャリアが一般的です。

ブライダル業界の平均年収・給料

さて、ブライダル業界で働くからには、平均年収も気になるのではないでしょうか。ブライダル業界の年収は職種によっても異なりますが、求人情報検索エンジン「Indeed」のデータを見ると2024年4月時点で440万円が平均値とされています。国税庁のホームページでは1年間の平均給与は461万円とされているため、ブライダル業界の年収は日本の平均年収に近いことが分かります。
ただし、ブライダル業界は女性が多い業界です。職場によっては8割〜9割を女性が占めていることも珍しくありません。平均給与461万円を男女別に見ると、男性567万円、女性280万円となっていることをふまえると、ブライダル業界は比較的高収入が期待できる業界だといえるでしょう。
職種別に見ると、ウェディングプランナーやドレスコーディネーターの平均年収は330万円程度、スタイリストの平均年収は380万円程度、フラワーコーディネーターの平均年収は550万円程度といわれています。もっとも、勤務エリアや所属企業によっても年収は異なるので、就職活動時には実際の給与を確認してみてください。

参照:日本でのブライダルの平均給与|Indeed

参照:平均給与|国税局

ウェディング(結婚式)の形式

さて、一口に結婚式といっても、昨今ではさまざまな種類が存在しています。そして、どのような結婚式に携わりたいかによって就職先も異なります。結婚式の形式は、次の3つをかけ合わせることで決まることが特徴です。

お披露目スタイル会場(結婚式場)
挙式 披露宴 会食 1.5次回(パーティ婚) 記念撮影キリスト教式 神前式 人前式 仏前式専門の式場 ホテル レストラン ゲストハウス 神社・寺・教会

ブライダル業界への就職を考えている方は、これらの組み合わせも意識しながら就職先を選ぶといいでしょう。なお、会場(結婚式場)にフォーカスしてみると、昨今の結婚式でよく見られる形式としては次のような例が挙げられます。

  • ホテルウェディング
  • 専門式場ウェディング
  • ゲストハウスウェディング
  • レストランウェディング
  • ガーデンウェディング
  • リゾートウェディング

それぞれの形式の特徴を紹介するので、キャリアプランの参考にしてください。

ホテルウェディング

ホテル内のバンケット・チャペルなどを利用するのが、ホテルウェディングです。軽井沢など著名なリゾート地にあるホテルでは、結婚式も多く執り行われています。ラウンジや駐車場、さらにはバリアフリー対応しているケースも多いなど、設備・環境が充実していることが特徴です。
結婚式に注力しているホテルでは、ウェディングプランナーをはじめとしたブライダルスタッフを募集していることも少なくありません。ウェディング以外の業務に対応することもありますが、ブライダル業界への就職を希望している方は、ぜひホテルの求人をチェックしてみてください。

専門式場ウェディング

結婚式のために作られた専門式場は、新郎新婦のさまざまなニーズに応えやすいことが特徴です。とくに異なるコンセプトの施設が複合した専門式場であれば、ウェディングプランナーが新郎新婦の希望を汲み取り、オリジナルの結婚式を企画できます。
ブライダル業界で働くからには、専門式場への就職に憧れている方も多いのではないでしょうか。専門式場は新郎新婦のあらゆる要望に応えることが要望されるため、ウェディングプランナーにも相応の知識・技能が要求されます。専門式場でのキャリアを希望する場合は、専門学校でしっかりとスキルを身につけましょう。

ゲストハウスウェディング

ゲストハウスウェディングとは、一軒の邸宅(ヨーロッパ風であることが多い)で執り行う結婚式です。オシャレな雰囲気はもちろん、アットホームな環境で挙式できることから、家族婚を希望するカップルからも人気のスタイルとして注目されています。
ゲストハウスウェディングは一軒家貸切のスタイルはもちろん、ゲストハウスの庭園まで使用した演出も可能なため、オリジナリティの高い結婚式を希望するカップルも少なくありません。そのため、ゲストハウスで活躍するウェディングプランナーには、新郎新婦のニーズを満たす提案力やプランニング力が求められます。

レストランウェディング

ゲストをもてなす料理を重視するカップルは、レストランを貸し切って結婚式を行う「レストランウェディング」を選ぶこともあります。レストランウェディングは自由度が高い反面、専門式場などと比べると予算がリーズナブルなため、今後ますます人気のスタイルとなっていくでしょう。
昨今では、各レストラン専属のウェディングプランナーを募集している企業も少なくありません。自由度の高い結婚式のプランニングに憧れており、なおかつ料理の知識も身に着けられる方は、結婚式を得意としたレストランに就職してもいいでしょう。

ガーデンウェディング

ガーデンウェディングとは、屋外で挙げる結婚式です。海外での挙式では一般的なスタイルで、日本でも季節によってはガーデンウェディングを選ぶカップルもいます。結婚式はもちろん、披露宴としてガーデンパーティーを開催することもあり、開放感が魅力のスタイルです。
ガーデンウェディングは屋外で執り行うことから、芝や土の上でも支障のないウェディングドレスを選ぶ必要があったり、天候不順時には咄嗟の対応が求められたり、ウェディングプランナーやブライダルアテンダーの実力が試される場面も少なくありません。高度なスキルを身に着けたいと考えている方は、ガーデンウェディングに対応したホテル・専門式場に応募してみてください。

リゾートウェディング

リゾートウェディングはその名のとおり、沖縄や北海道、軽井沢などリゾート地で挙式するスタイルです。ビーチはもちろん、森林や高原での挙式も人気を集めています。リゾートウェディングは新婚旅行が兼ねられることも多く、ウェディングプランナーとして活躍するためにはブライダルだけでなく、周辺の観光・見どころの知識も求められることが特徴です。
就職したいエリアが決まっている場合は、ぜひ該当地で求人を探してみてください。リゾートウェディングを専門とするプロデュース会社への就職も選択肢の一つです。

ブライダル業界に向いている人

さて、ここまで紹介したブライダル業界の現状や種類をふまえ、よりウェディングプランナーをはじめとした結婚式にまつわる職に就きたい気持ちが強まった方も多いのではないでしょうか。ここからは、ブライダル業界に向いている人の特徴についても紹介します。

  • だれかを喜ばせることが好きな人
  • 明るい人
  • 責任感が強い人
  • マナー・ルールを守れる人
  • チームで行動できる人
  • トレンドに敏感な人

それぞれ必須事項ではありませんが、これらの要素を備えている方のほうがブライダル業界に向いており、ウェディングプランナーとして活躍しやすいです。それぞれの特徴について詳しく解説します。

誰かを喜ばせることが好きな人

ブライダル業界で働くからには素敵な結婚式を実現させ、新郎新婦やご両家、ゲストの方々に喜んでもらわなければなりません。大変な業務も多いウェディングプランナーの仕事ですが、誰かを喜ばせることが好きな人にとっては天職といえるでしょう。

明るい人

結婚式は準備を含めて思い出となるイベントであるため、ウェディングプランナーをはじめブライダル業界に関わる方には「明るさ」、「親しみやすさ」も求められます。いつでも明るい方のほうが新郎新婦からの印象もポジティブであるため、なるべく笑顔で過ごすことを心がけましょう。

責任感が強い人

結婚式には、数百万円単位の費用がかかります。企業であっても大金であるこれだけの費用を、個人である新郎新婦が支払うことになる結婚式のプランニングを任されるウェディングプランナーには、重い責任がのしかかります。
ウェディングプランナーにとっては数ある結婚式の一つでも、新郎新婦にとっては一生に一度の結婚式です。そのため責任感が強く、任された仕事を確実に実現できる方でなければ、ウェディングプランナーは務まらないでしょう。

マナー・ルールを守れる人

家族婚やジミ婚をはじめ、どれだけ少人数でフランクな結婚式だとしても、新郎新婦にとって一生の思い出となる結婚式です。そのため、ブライダル業界に携わるスタッフには徹底したマナー・ルールの順守が求められます。
ブライダル業界で働くために必須の免許・資格はありません。そのため、だれでもブライダル業界で働くこと自体は可能です。しかし、結婚式に関わるからにはプロとしての振る舞いが求められるため、どのような状況でもマナー・ルールを守れる人こそブライダル業界に向いているといえるでしょう。

チームで行動できる人

記事前半で紹介したとおり、ブライダル業界にはさまざまな職種が存在しています。ウェディングプランナーが中心となりながら、ドレスコーディネーターやブライダルエステティシャンと準備を進め、当日はヘアメイクアーティストやバンケットスタッフ、ブライダルアテンダーなどと共に結婚式を成功させなければなりません。このようにブライダル業界はチームで行動することが多いため、チームワークが好きな人が求められています。

トレンドに敏感な人

結婚式のスタイルは時代とともに変わり、新郎新婦のニーズにもブームがあります。とくにウェディングプランナーはさまざまなプランを提案しなければならないため、結婚式以外のトレンドにも敏感な人のほうが向いています。
また、ドレスコーディネーターやブライダルエステティシャン、フラワーコーディネーター、ヘアメイクアーティストであっても、最新のトレンドも取り入れることが求められます。ブライダル業界で働くからには、常にトレンドを追っておきましょう。

ウェディングプランナーに求められるスキル

ウェディングプランナーに求められるスキルもさまざまですが、とくに次のような能力があると活躍しやすいでしょう。

  • プランニング力
  • コミュニケーション能力
  • マルチタスク能力
  • 冷静な判断力
  • 書類作成能力(事務処理能力)
  • 体力・精神力

それぞれのスキルが求められる理由や、スキルを磨くコツについても紹介します。

プランニング力

とくにウェディングプランナーは、新郎新婦のニーズを満たすプラン・演出を提案しなければなりません。もちろん結婚式に定番の演出もありますが、新郎新婦ごとに好みは異なるため、まったく同じ結婚式は存在しないといえるでしょう。
どのような新郎新婦の求めにも応じるために、ブライダル業界で働くからにはプランニング力を磨く必要があります。先述したトレンドを追うことも重要ですが、ブライダル以外の情報にもアンテナを張り、提案の引き出しを増やさなければなりません。
ウェディングプランナーとして働き始めると、仕事以外に使う時間が確保できないかもしれません。そのため、ブライダル以外の趣味を持ったり、ブライダルとは関係の薄そうな場所を訪れてみたりしてもいいでしょう。

コミュニケーション能力

新郎新婦へのプランニング力も重要ですが、それ以上に求められるのがコミュニケーション能力です。そもそも新郎新婦とのコミュニケーションが疎かだと、ニーズを汲み取れません。ウェディングプランナーとして活躍するには、一方的に情報を伝える話術を磨くよりは、新郎新婦の要望を聞き取る傾聴力が求められます。
また、新郎新婦が話している内容が、必ずしも本心とは限りません。二人の隠れたニーズを聞き出すためにも、日ごろから他人の話を聞く力をつけておきましょう。

マルチタスク能力

この記事で紹介しているとおり、ブライダル業界に求められる役割は多岐にわたります。さまざまな業務を結婚式当日までに完了させ、さらには複数のカップルを担当しなければならないため、ウェディングプランナーにはマルチタスク能力も求められます。
マルチタスク能力とは複数の業務を並行して進行するために、意識を切り替えて作業するスキルです。マルチタスク能力が求められる場面ではすべての業務を同時に進めるのではなく、複数のタスクに優先順位をつけてスケジュール管理し、それぞれ順番に完了させることが望ましいといわれています。とくにブライダル業界の繁忙期にはマルチタスクが求められるため、就職前にマルチタスク能力を高めましょう。

冷静な判断力

結婚式・披露宴には多くの方が関わるため、イレギュラーな事態が発生するケースもゼロではありません。準備過程でトラブルに見舞われることもあるでしょうし、挙式中に不測事態が発生することもあります。場合によっては、クレームまで発展してしまうかもしれません。
このような状態でも、ウェディングプランナーには結婚式を成功させる責任があります。また、ブライダルアテンダーには臨機応変な対応で結婚式を進行させることも求められます。このような事情を鑑みると、ブライダル業界で働くためには冷静な判断力が必要だといえるでしょう。冷静な判断力は経験に裏付けられる側面もあるため、ブライダル業界に就職する前からさまざまなことにチャレンジしてみてください。

書類作成能力(事務処理能力)

ウェディングプランナーは接客や立ち仕事というイメージが強いかもしれませんが、実はデスクワークも少なくありません。新郎新婦との打ち合わせ内容も記録しなければなりませんし、各種業者とのコミュニケーションはメールで進行することもあります。
また、取引先への発注書の作成や、お客様に提出する資料の作成もウェディングプランナーの仕事の一つです。このため、ウェディングプランナーには書類作成能力(事務処理能力)も求められます。最低限のパソコンスキルは身につけておきましょう。

体力・精神力

このようにウェディングプランナーには多種多様なスキルが求められ、多忙な中で結婚式を成功させなければなりません。そのため、ブライダル業界で長く活躍するためには体力も必要不可欠です。また、ブライダル業界には責任が重い仕事も多々あるため、プレッシャーに打ち勝つ精神力も求められます。

ブライダル業界を目指すときの進路

ブライダル業界で働くための進路は一つではなく、さまざまなルートが存在しています。ウェディングプランナーなどとしてブライダル業界を目指す場合は、次のようなルートが代表的です。

  • 専門学校でブライダルを学び就職する
  • 短大や大学を卒業して結婚式場やホテルに就職する
  • 他業種でキャリアを積んでからブライダル業界へ転職する

それぞれのキャリアプランについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

専門学校でブライダルを学び就職する

高校を卒業後、ブライダルを学べる専門学校に進学する方は多いです。ウェディングプランナーになるために特別な学歴は必要ありませんが、ブライダルに関する専門知識は求められるため、専門学校で集中的に学んでから就職活動したほうが即戦力として採用してもらえる可能性が高まります。

短大や大学を卒業して結婚式場やホテルに就職する

昨今では、短大や大学を卒業してからウェディングプランナーになる方も少なくありません。観光学科などでは、カリキュラムの一環としてブライダルについて学べるケースもあります。ブライダルのみならず、一般教養も身に着けたい方は、短大や大学へ進学してから結婚式場やホテルに就職してもいいでしょう。

他業種でキャリアを積んでからブライダル業界へ転職する

他業種でキャリアを積んでから、ブライダル業界へ転職するケースもあります。ブライダル関連の仕事が未経験であっても、「営業」や「接客」の経験がある方はウェディングプランナーに必要なコミュニケーション能力などが身についているため、中途採用してもらえる可能性が高いのです。他業種で働きつつ、ブライダルの専門学校へ通うケースもあります。
働きながら経験を積みたい場合は、結婚式場やホテルなどブライダル関連企業のアルバイトに応募してもいいでしょう。アルバイトとして経験を積み、正社員として登用されるケースも少なくありません。

ブライダル業界への就活で重視されること

さて、ブライダル業界への就活で重視されることはさまざまですが、とくに次の3つは意識するといいでしょう。

  • 清潔感
  • 筋のとおった志望動機
  • 企業の求める人物像

ブライダル業界へ就職したい方は、ぜひ参考にしてみてください。それぞれ就活時に役立つ情報と合わせて解説します。

清潔感

新郎新婦の対応が多いウェディングプランナーをはじめ、ブライダル業界で働く方は第一印象を評価されるケースが多いです。オシャレである必要はありませんが、清潔感のある外観を意識しましょう。
メイクや髪型も清潔感を意識しつつ、人から話しかけられやすい雰囲気が求められます。選考段階から、新郎新婦に安心感を持ってもらえる恰好で臨んでみてください。

筋のとおった志望動機

昨今はブライダル業界への就職を希望する方も増えており、採用されるまでのハードルが高くなっています。他の応募者との差別化を図ることはもちろん、採用後に活躍する心意気を魅せるためにも、なぜブライダル業界を希望するのか丁寧にアピールしましょう。
人事担当者は早期退職を防ぐために、筋のとおった志望動機を持っている人を好む傾向が強いです。まずは書類選考・一次選考を通過するために、ブライダル業界への想いを伝えましょう。
また、最終的に採用されるためには、応募企業への志望動機が明確であることも求められます。ブライダル業界の他企業と比べたときの違いや、その応募先の取り組みなど、自分が働きたいと感じた理由を語れるようにしてみてください。

企業の求める人物像

選考では自己アピールが必要となりますが、やみくもにアピールしても効果は期待できません。自分が企業の求める人物像とマッチした人材であることをアピールしましょう。求人広告やそれぞれの企業のホームページを探せば、求める人物像が記載されているはずです。
たとえば「責任感の強い人」が求められているケースでは、これまでに成し遂げた実績をアピールするといいでしょう。「コミュニケーション能力の高い人」が求められている場合は、多くの人をまとめた経験を話すといいかもしれません。
企業の求める人物像を探ることは、新郎新婦が結婚式に求めているニーズを探すことにもつながります。就職を希望する専門式場・ホテルのことは、面接前に調べ上げておきましょう。

まとめ

ブライダル業界は新郎新婦の理想とする結婚式を実現できる、非常にやりがいのある業界です。ウェディングプランナーや各種コーディネーターなど、さまざまな職種が協力して結婚式を作りあげるため、自分にマッチした立場からブライダルに関われることも魅力の一つでしょう。ブライダル業界への就職を考えている方は、ぜひこの記事で紹介した内容を参考にしてみてください。

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